「リスク管理研修」の終了報告

さて、2025年1月に5回に亘って連続で開催して参りました「リスク管理研修」が無事終了しました。
今回の研修の特徴は、実際に最近貸倒れ事案を経験した営業部署を対象に、その各事案の反省点に立って、研修の場でやや切り込んだ形で教訓事項を強く伝達させて頂いたことにあります。とりわけ、全国にある各支社を研修開催で訪れた時に、それぞれ現場での切実な思いと緊張感が漂っていることが実感できました。
貸倒れは忘れた頃にやってくる、どんな信用不安情報でも勝手にガセネタ扱いしないで、きちんと社内でその情報の信憑性、確度を追及する姿勢が必要です。貪欲にそして慎重に周辺情報を収集し、きちんと社内で関係者がアクセスできるデータソースに情報を共有することも重要です。
そしてこのような情報を収集した時点で、社内で正式に緊急時と認定すれば、予め定められた対応マニュアルに従って、迅速な行動を行う必要があります。債権保全の要は、初期動作の速さに尽きます。考えながら動くこと、社内でのコンセンサス形成にも尽力する必要はありますが、頭だけで考えるのではなく、アクションを起こすこと、絶対に評論家的な立場に立ってはいけないということだと考えます。
直近の倒産発生動向を見ても、明らかに2025年は国内倒産件数が増えていく予兆があり、今後どの会社様も注意が必要です。
起きてからでは遅い、事前の予兆発覚とそれに対する初動の打ち手を確保する、これこそが、与信管理・再建保全の要となるポイントであり、是非とも実践して頂きたい事項です。
与信管理コンサル 髙見 広行