海外駐在経験を振り返る(ロンドン編その3<英国人の気質に触れて>)

さて、このシリーズでは前回の投稿より少し間が空きましたが、<ロンドン編>の最終投稿を今回はお届けさせて頂きます。

テーマは、「英国人の気質に触れて、思ったこと、感じたこと」を綴ってみたいと思います。

皆さん、イギリス人、英国人についてどのような印象や先入観をお持ちですか?

「英国紳士」と言いますと、やはりビシッと上下のスーツに身に纏い、ハットを被り、片手に雨傘を持ち、気が滅入るような雨模様の天候の中を一人歩く紳士の姿を思い浮かべられますでしょうか?葉巻も似合いますかね?

英国は日本同様、伝統的な王室を擁する国家ではありますが、イギリスの正式名称は、「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」であり、イングランドウェールズスコットランド北アイルランドという歴史的経緯に基づく4つのカントリー(「国」)が、同君連合型の単一主権国家を形成しています。

欧州の中でも島国にある英国は、どこか同じ島国である日本と通じる部分があるかと思っています。島国根性、と言えばそれまでですが、自国の文化について一定の自負を持っているのに加えて、性格的にはシャイな面があり、初めて人と接する場面では口数が少なく、他方で相手に対する人物観察をひそかに好む思考があるように思いました。

世に言うアメリカ人のような、大袈裟なウエルカムな挨拶や気の利いたコメントは苦手なタイプが多く、どちらかと言えば少し人見知りするタイプが多いように感じました。

ただ、少し時間を要するかもしれませんが、ある程度の納得感を持てて、その人との対人関係を構築できる環境が整い、一度打ち解ける関係に達すると、かなり深い、そして親密な関係になることが多いように感じました。

その点では、どちらかと言えば日本人気質に近いものがあり、車も左側通行で右ハンドルと運転もすぐに慣れやすく、ラウンドアバウトを除けば、快適な車での移動が保証されていました。郊外に行けば緑も多く、コッツウォルズ等の景色を楽しみ心の和む美しい場所が沢山あります。

私は、1999年4月から2003年3月までの丸4年間、前職の会社で英国のロンドンに駐在していたわけですが、その間に出会った英国人の方は数多く、私の前妻の英語の先生(年齢はかなり年配のご婦人)からは、前妻のことが気に入ったのか、自宅でのクリスマスシーズンに夫婦2人でディナーに招かれたこともあった程でした。また、ウィンブルドンのフラットに住んでいた時には、同じフラットの住人のこれまた年配のご婦人から、前妻はちょくちょくティーパーティー(英国独特の夕方前後のお茶会)に招かれていたようです。

職場関係の英国人スタッフの家族とも、プライベートで節目節目で上司のご自宅のパーティーでお会いしたり、また駐在期間中に男性ナショナルスタッフの結婚式に出席するという貴重な経験もしました。プライベートで親交が深まるにつれて、英国人との距離感は徐々に狭ばり、相手のことが次第によく理解できるようになりました。

米国人のような派手さは決してありませんが、伝統的な欧州の国家の一つとして、堅くブレない意志と、歴史を有する国民であることを高く誇りに思っているように感じたこともしばしばありました。プライド高き英国人、でもどこか引っ込み思案なところもあって、強く自己主張しないところは、日本人と相通ずるところがあると感じています。

今ではとっても懐かしい英国駐在時代の思い出を、住居、食べ物、そして最後に英国人の気質の3つの切り口から勝手に語らせて頂きました。

またゆっくりとロンドンをはじめ、英国各地巡りをしてみたいと改めて強く感じました。あと余談ですが、アイルランドにはまだ一度も足を踏み入れたことがないので、是非とも生きているうちに一度訪れてみたいとい思います。あ、そう言えば、アイルランドも競馬が盛んな場所でしたね?

リスク管理コンサル 髙見 広行

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