リスクエクスポージャー管理の重要性を解説

Risk exposure diagram showing market, credit, operational, legal, social, and reputation risks with business professionals.

少しご無沙汰しております。リスク管理コンサルタントの髙見です。

さて、今回のテーマですが、リスクマネジメントの世界では、リスク管理という視点・切り口で見た場合、マクロ管理の意味合いで「リスクエクスポージャー管理」というものが極めて重要になってくるということをお伝えしたいと考えています。

そして、この「リスクエクスポージャー管理」を考える上で、以下の2つの観点から検証を行う必要があるということを説明させて頂きます。

どうぞ宜しくお付き合い下さい。

まず1点目としては、リスクの発生・顕在化の検証とは別次元のテーマとして、リスクを負う(テイクする)側にとって、どこまで自らリスクを許容できるかを見定める際に、この「リスククスポージャー」という概念を用いるということになります。

ある案件で、ある取組相手先に対して、例えば1億円までであれば、特に保全措置を講じることなく、裸でリスクを許容できるものと仮定します。

他方で、例え非の打ちどころの無い案件・取組相手先であったとしても、自社の体力を大きく超えると見做される100億円超のリスクは引き受けることができないという考え方になります。

このように、「リスクエクスポージャー管理」とは、純粋な与信管理の考え方とは明らかに一線を画することになります。

絶対に目先倒産することがないと思われる日本を代表する東証プライム上場企業を取引相手先にしたとしても、原則リスクエクスポージャーには上限が嵌められることになるということです。

次に、2点目としては、「リスクエクスポージャー管理」に関して、<グロス>と<ネット>の考え方が存在することについての説明です。

中でも、リスク管理の実務上においては、ネットベースでリスクの度合いを推し量ることが、極めて重要になってくることを敢えて強調させて頂きます。

ここで言う<ネット>とは、例えば、<グロス>エクスポージャー1億円の案件の検討に際して、保険付保等によりその半額である50百万円を保全することができたと仮定しましょう。

この場合のネットリスクエクスポージャーは、果たして幾らになるでしょうか?皆さん、お考え下さい。

答えは、<グロスリスクエクスポージャー>1億円 − 保険付保による保全金額50百万円 = <ネットリスクエクスポージャー>50百万円となります。実に簡単な計算式ですよね?

ネットリスクエクスポージャーとは、実質的な意味でのリスクに晒されたポーションを指す言葉であり、リスクを負う(テイクする)側にとって、当該リスクを本当に許容できるのかを真剣に検証していく対象の金額になります。

所謂、グロスリスクエクスポージャー金額が極めて過大であったとしても、ネットリスクエクスポージャーで見てリスクがマネージできているとしたら、同案件に取組むことに対して最終的にGoサインが出ることになるかもしれません。
かねてより、総合商社の世界では、このネットリスクエクスポージャー管理を非常に重要視してきた経緯があり、その意味でもあらゆる業界に身を置く方々にも、改めてこの概念をしっかりとお伝えしておきたいと考えた次第です。

今回は、リスクマネジメントの世界で、一般的によく使用される概念である「リスクエクスポージャー」という言葉に関して、できるだけ分かり易く説明をさせて頂きました。

是非とも、本日のお話が、日頃よりリスク管理でお悩みの方々にとって何かのご参考になれば誠に幸甚です。

リスク管理コンサル 髙見 広行

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