ニューヨークマンハッタンの和食事情

皆様、少しご無沙汰しております。お元気ですか?

先日所用で1週間程ニューヨークのマンハッタンに一人で行って参りました。以前駐在員として8年強住んでいた場所だけに、訪れたというよりは、何故かこの場所に帰ってきた、というような錯覚に襲われましたが、今回の滞在中にはおなじみの寒波にも見舞われ、日中の最高気温が摂氏で0度前後の日も久し振りに経験し、同地の気温の変動幅の大きさと激しさを思わず思い出してしまいました。それにしても、自分自身にとっては、とても気分的に落ち着く場所であります。この感覚は不思議ですね。

今回夜に訪れたいくつかの和食レストランは、駐在時代からお世話になっている店が中心でしたが、いずれも健在であり、以前と変わらぬ上質の料理を提供しておられました。これは個人的に大変嬉しい限りです。特に寿司に関しては、東京都内の高級寿司店と比較しても決して引けを取らないレベルを誇示されており、恐れ入りました。食事の御供となるアルコールの方は、やはり和食ですので、当然日本酒を中心にセレクトしましたが、これも以前より新しい銘柄がいくつか加わっており、バラエティーさが増しているように感じました。日本の「地酒」を売りにしている、個性あるそして光り輝く酒蔵さん達が必死になって作ってこられた純米吟醸や純米大吟醸といった高水準の日本酒が、この地に引き続き流入してきている事実を目の当たりにして、日本酒ファンの一人としてはとても嬉しい限りです。

今後、日本酒の切り込むべき領域は、やはり白ワイン、場合によっては赤ワインも含めての洋食の世界だと感じています。既にフランス料理に関しては、随分と前より和の要素が取り入れられたメニューが浸透しており、そこには日本酒が浸透する素地は十分に出来上がってきていると思います。この先、イタリアンやメキシカン、韓国、中華といった他の食事の領域にも、まだまだ日本酒が切り込めるマーケットはこの地には沢山潜んでおります。そして、注目すべきは、やはり米国では一般的に人気の高いステーキハウスにも、テイストによっては十分に勝負できる日本酒が存在することを決して忘れてはならないと考えています。

世界レベルでの和食文化の浸透とそれに伴う日本酒文化の更なる発展、これこそ日本文化の国際化、世界への浸透に他ならず、日本人としては決して無視できない潮流であると感じております。今後、何か自分自身で、この分野で貢献できることはないか、大いに考えさせられる今回のニューヨーク訪問となりました。日本酒頑張れ!