国内倒産件数が急増、取引先の動向に目を光らせて下さい!

帝国データバンク(以下TDB)の倒産集計によりますと、2023年3月度の倒産件数は急増して800件に達し、単月ベースではコロナ禍前の水準に舞い戻った形になりました。前年同月の倒産件数は587件ですので、前年同期比+36.3%の増加となります。

倒産件数の推移は、以下のTDBが開示したグラフをご覧下さい。

明らかにここに来て潮目が変わったと感じざるを得ません。来たる2023年度は、間違いなく倒産件数は増加傾向を辿ることになると考えています。

コロナ禍で蔓延した様々な助成金や補助金、そして実質無利子・無担保でのコロナ制度融資に基づく、各種資金繰り支援策が国内の倒産件数を抑制してきたのは紛れもない事実です。

しかしながら、上記のコロナ制度融資の返済期限が到来したことに加えて、昨今の全般的な物価高の影響を受けたコスト増が重なり、倒産件数が増加に転じていると見られています。特に製造・加工業などでは、原材料高に伴う負担増の部分を十分に販売価格へ転嫁できていない会社様が少し目立つようになってきています。その結果、粗利率の低下&販管費の増加のダブルパンチを受けて、本業の営業利益段階で赤字計上となる例も結構目にするようになりました。

また、今後想定される金利上昇局面では、借入金過多の財務内容で、返済原資を十分に確保できない会社様が事業継続を断念して、より一層倒産件数を押し上げる可能性が出てきています。

そこで、是非とも営業マンの方々には、自社の取引先の現状把握により一層注力して頂きたいのです。コロナ禍も徐々に明け、お取引先様への訪問も解禁になってきていると思われますので、まずはここは定期的な訪問を励行すると共に、取引先の状況や動向に何か変化はないか、有用な情報収集の為のアンテナを意図的に張り巡らして頂く必要があります。

そして、更には、これまで決算書を取得できていなかった取引先に対しては、この機会に、是非とも決算書の開示を強く求めることをオススメします。決算書を入手することのメリットは、そのお客様と決算内容について実際に質疑応答ができるようになることを意味しており、それだけ取引先の信用力を精査できる機会が増えることを意味しています。

会社は倒産します。コロナ禍の各種支援策で守られてきた会社様が破綻することは決して珍しくありません。

常に貸倒れ防止、貸倒れ予防を念頭に置き、基本に忠実に、取引先の与信管理を行うことの重要性が今後益々クローズアップされてくると信じています。

与信管理のご相談は、いつでもお気軽に弊社までコンタクト下さい。

リスク管理コンサル(与信管理コンサル) 髙見 広行

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