営業マン向けの「決算書の見方」研修開催!
今般、経営コンサルの業務委託契約を締結している、とある大手商社の子会社様の営業マン向けに、与信管理研修第三弾として、「決算書の見方」と題する社内研修の講師を務めて参りましたので、此処に簡単に報告申し上げます。
チームス参加者も含む所謂ハイブリッド方式で開催し、時間は1時間と比較的コンパクトな内容でありました。これまでに何度か同様のテーマで研修講師を務めてきた経験もあり、受講者の皆様に当方より伝えるべきポイントは明確に心得ている領域のテーマになります。
「営業マンは物を販売するだけが仕事ではなく、代金を回収し終えるまでが仕事である。」
即ち、代金回収の確度の高い先であるとの認識の下、通常、掛け売りの形で与信販売を行うわけです。
与信先の信用状態を見極める上で最も重要なのが決算書に基づく財務分析に他なりません。定量評価のど真ん中に位置するものであります。
決算書はどのような資料から成り立っているのか、そして、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書の3つから成る全体構成と各々の意味するものについて、できるだけ分かりやすく砕きながら解説を行っていきました。
貸借対照表の借方側(左側)を資金運用、貸方側(右側)を資金調達と見做して考えることの重要性、同時にいつ如何なる時でも左・右の合計金額は必ず一致する(バランスする)ということについて説明しました。
損益計算書では、売上増減の要因分析の大切さ、また粗利率・販管費率の変化のチェック、本業の営業利益が黒字になっているかどうかのチェック、大口の営業外収益/費用や特別損益のチェック等の励行について、強く訴えかけました。
キャッシュフロー計算書では、資金繰りの持つ重要性を改めて指摘すると共に、企業が倒産するとは、手許資金が不足して、已む無く手を挙げざるを得ないことを意味し、他方で、例え赤字決算の会社でも、手許資金が繋がっていれば、破綻することはないことも説明しました。次いで、営業キャッシュフロー、フリーキャッシュフローの意味を説明し、非上場企業の場合における簡易的な営業キャッシュフローの算出方法の説明も行いました。
そして、後半部分は、具体的にある取引先を題材に掲げてのケーススタディー研修を実施し、研修参加者の方々に、実際に自分自身で決算書の分析を行ってもらい、その上でその会社の信用度をある程度評価し、最終的にその会社向けの取組方針を決定して頂く考察を行なって頂きました。
実際に自分で色々と手を動かして考えてみること以外に、決算書の見方を習得することへの近道は存在しないと考えており、試行錯誤して色々と考えを巡らすことが非常に肝要だと考えております。
最後に、このようなテーマでの研修開催を何度か積み重ねていくことで、講師側としても色々な新たな発見があり、それがより研修内容の充実度アップに繋がっていくような気がしております。
引き続き、適宜効果的な研修開催を織り交ぜながら、地道に与信管理コンサル活動を継続していく所存です。
与信管理コンサル 髙見 広行