神秘的な日本酒の醸造法について考える【「糖化」と「発酵」が一つのタンクで同時に行われる世界でも稀な「並行複発酵」】

みなさん、お元気ですか? 桜も遂に東京都内で開花宣言が出される等、春本番に季節は移り変わりつつあります。

日頃より、秘蔵の日本酒の発掘・販売・ブランディングに従事しております唎酒師のタカミンこと髙見です。

少し前の話になりますが、あるビジネス会合で面識を持った方から、以下の実に素朴な質問を受けたことを思い出します。

「高見さんは、なんで日本酒にそこまで熱くなれるんですか?」「日本酒でなくてはならない理由は何なんですか?」

ズバッと胸元に刺さるこの直球の質問を受けて、これこそ、私にとってGood questionだと思ったものです。今世界的にも人気の高い日本産のウイスキーじゃダメなんですか?九州地方の焼酎は?沖縄の泡盛は?ということになりますよね?

ご存知の通り、日本酒の酒造業界が置かれた国内での業界環境は、百貨店業界同様に、ここ30年以上ほぼ右肩下がりのジリ貧状態にあり、更に今後の人口減、若者の日本酒離れ等と相俟って、旨い地酒を醸す比較的小規模な秘蔵の酒蔵様が、今後本当に消滅していくかもしれない、と思うと「ちょっと待ってよ。それは本当に困るし心底寂しいよ。」という感情が込み上げてきます。

この心情的な思いに加えて、日本酒の「製造工程」を、実際に過去に自分の目で見る貴重な機会を得た時に受けた、衝撃と驚きと感動がありました。

睡眠も儘ならない過酷な労働環境の中で、杜氏が孤独に日々立ち向かう偉大な日本酒造りという大仕事、本当に子育て以上に大変です。それと、何と言っても、神秘的な日本酒の醸造法に惹かれたことにあります。「糖化」と「発酵」がひとつのタンクで同時に行われる世界でも稀な「並行複発酵」という醸造法です。ウイスキーにも、ワインにもない、唯一無二の世界に高く誇れる伝統的な製造方法です。これぞ日本酒が独特の世界を創り出す基盤になるものです。

酒造り期間中の酒蔵内の雰囲気は、杜氏と蔵人達の真剣な眼差しから生まれる緊張感がピーンと張り詰めており、昼夜を問わず、生きた飲料を生み出していくという熱意と情熱に溢れた、実に神秘的な空間です。と同時に、冬の厳しい寒さの中で早朝から動き出し、他方で麹造りの場となる室と呼ばれるサウナ風呂のような空間とを必然的に行き来することになり、身体にも本当に堪える重労働です。

一度機会があれば、酒蔵見学を寝泊まりして体験してみて下さい。絶対にオススメです。

毎回面識のある酒蔵様を訪問して、蔵内を見学させて頂く度に、この日本で生まれた大切な財産である「日本酒」を、もっともっと海外に強く発信し、世界中の多くの方々に日本酒の良さ、神秘さをアピールしていきたいという純粋な想いが、私の日本酒ビジネスを開始するきっかけ・原動力になったのだと、改めて今実感した次第です。

日本酒の持つ魅力とは、1)世界のあらゆる食事・食材にマッチする可能性を秘めた食中酒の王としての存在、2)あらゆる温度帯で楽しめる幅広いフィールドを持った存在、3)日本各地に眠る秘蔵の酒蔵様が醸す日本酒とその地元の食材とのマリアージュを堪能できる存在、だと考えています。

益々、日本酒の魅力に惹きつけられていきそうで怖いです。無限の可能性を秘めたアルコール飲料、それが日本酒なんです。

皆さん、もっともっと、日本酒について、新しい発見と学びをしていきましょう。

秘蔵の日本酒 高見酒店

店長:唎酒師タカミン(髙見 広行)

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