人生の「転機」をどう活かすか?それは自分の気持ち次第!
50代半ばを過ぎて、還暦に近づきつつある中で、ふと最近思うことがあります。
それは、誰の人生にも山あり谷ありと言いますが、私自身の人生を振り返ってみても同様のことが言えるということです。
自分にとって「転機」はいつだったか?と今一度整理しますと、以下の3つに整理できるかと思います。
1つ目は、紛れもなく「第一希望の業種であった総合商社に新卒で入社できたこと」です。これにより、明らかに自分の人生が少しばかり開けたことを心の中で感じました。
この総合商社への新卒入社という出来事は、当時の自分の置かれた状況を冷静に顧みても、想定外の嬉しい就職活動の結果でした。高校は県内有数の進学校に入学できたところまでは良かったのですが、高校入学後、自分の努力不足もあり、学力は一向に伸びず、運動部に在籍していたことを言い訳にしつつ、結局一浪して予備校に通い、挙句の果てに国公立大学の受験を諦め、私立大学一本に絞ったものの、結果は志望校に届かず、結局中央大学に入学したのでした。大学生活もあまりぱっとせず、塾講師のアルバイトをやりながら、適当に大学生活を送っていて、当初は公務員を目指そうと思い勉強に取り掛かったものの、全く熱が入らず、少し迷走していた時に、全くそれまで自分に縁のなかった海外と強く結び付いている「総合商社」という業界に憧れを抱くようになり、それが夢となり、英語も普通レベルでしかなかった自分が、就職活動の最後の最後で、内定を取り付けた瞬間は最高に嬉しかったですね。今でもあの瞬間のことは忘れません。
2つ目は、やはり自分の人生を語る上で、避けては通れないテーマながら、1回目の結婚の「離婚」という寂しい出来事でした(因みに、現在私は2回目の結婚をしていて子供が1人おります)。
これはある意味大きな転機でありました。順風満帆に進んでいた総合商社での社会人生活、そして恋愛結婚を果たし、交際してわずかの期間で婚約し、楽しい新婚生活が始まりました。やはり帰宅した時に、家の中に灯りが付いている、自分の帰りを待ってくれている人がいる、それだけで何だか幸せな気持ちになれました。その後、英国駐在も決まり、2人でロンドン生活を4年間送りました。公私共に、充実した時間を送っていたと思っていたのも束の間、帰国後に妻の体調に異変が生じ始め、病院に通うことになり、手術も受けたり、薬を服用するなどして、回復に努めていたのですが、元の快活な妻に戻ることはなく、最終的に2人で話し合って離婚を決意したのでした。最後に、離婚届を一緒に区役所に出しに行ったことを覚えています。離婚後も、色々なことがあり、ここでは詳しくは書けませんが、完全にこの離婚という出来事から放たれたのは、3年位経った頃ではなかったかと思います。
この離婚により、自分自身の人間としての足りなさ、配慮のなさ、人間関係の構築の難しさを学ぶことになり、人間として成長していく過程において、大きな代償を支払わされた形となりました。
そして最後に3つ目の転機とは、直近の出来事として、2019年12月に「早期退職を決断したこと」になります。
上記の1つ目の転機でも書きましたが、総合商社への新卒入社は、自分の人生における大きな転機の一つではありましたが、それに、自分自身で区切りを付ける決断をしたことが3つ目の転機となります。早期退職の理由は、色々な要因が重なっており、ここでは一言では申し上げれません。複雑な要因が絡み合っていたことは事実です。2018年7月に長い米国駐在から本帰国して東京本社に出社した時に、自ずと感じ取った違和感、日本での会社生活環境全般に対する嫌悪感は確かにありました。そして何よりも、自分自身これまで結構仕事人間でやってきたという自負がありましたが、ピンと張りつめていた糸が切れる瞬間を感じ、帰国して半年後に早期退職の決断に至りました。モチベーションの持続が困難になったこと、この辺で会社人間になり切っている自分とおさらばする時と感じ取り、次の職を確定させることなく会社を辞めたのでした。所謂、個人起業の道を選んだのでした。一見、無謀かと思われたこの選択、確かに現状を顧みますとそれも当たっているかと思いますが、辞めることを正式に伝えた時に、前職のその時の上司の方が、私に語ってくれた言葉が、私の背中を大きく押してくれました。
「君がもう辞めると決断したからには、それを慰留することは難しいだろう、それよりも新しいことを何かしたい、こういうことをしたい、という強い信念、気持ちがあれば、必ずや目の前に道が切り拓けるはずだ。思えば成る、是非新しい世界で頑張って欲しい。」
何度思い出しても、自然と自分自身で受け入れることができる言葉だったと、今でも思っています。
こうして自分自身の人生の転機を振り返ってみますと、やはり色々なことがあったなあと、実感します。そして一つだけ言えることは、転機を活かすも殺すも、自分自身の心の持ち方・気持ち次第、ということです。これからも前向きに、そして過去の反省に立った上で、愚直に地道に前進していきたいと、今回改めて強く感じました。
これからの残りの人生がより豊かになるように、過去を少し振り返ってみました。
リスク管理コンサル 髙見 広行